まめだのきかくについて


 

こんにちは。西村です。

公演初日まであと1ヶ月きりました!

 

今回の企画はわたしのために!というわがままな企画です、ということはたくさんお伝えしているけれど、

その実どんなことを考えているの?ということをなかなか発信できていないので、これからいろいろ書き綴ってみようかと思います。

 

稽古でやったこと考えたこと教わったことを掘り下げてみたり、反省してみたり、初心に返って当たり前を見直し1から考えたことを脳みそに刻むつもりで書いていきます。

この企画で西村が何を考えて何に取り組んでいるのか、そしてその成果は本番でちゃんと見えるのか、そんなことが伝わればいいなと思います。 

 

さて。

最初なので、なんでこの企画をやろうと思ったの?ということについてお話します。

 

突然なのですが、わたしはバレーボール漫画の『ハイキュー!!』が大好きです。

"劇的青春"というテーマの通り、高校バレー部の主人公たちが、息もつかせぬ手に汗握る劇的な展開と共に、どんどん成長しながら試合に臨んでいく様が格好よく爽快で、そして少しうらやましくも思う、むっちゃくちゃ面白い漫画です。

その物語の序盤に、主人公や周りのメンバーが努力して花開こうとしている中、それを冷めた目で見ているあるキャラクターに問いかけられたやりとりがあります。

 

「バレーボール、楽しい?」

「…いや、特には…」

「それはさ、へたくそだからじゃない?」

 

へたくそ!もう、ウワー!です。ウワー!

わたしはここでいったん漫画を閉じて深呼吸しました。すう。

 

なにごとも始めたときは新しいことがたくさんでわくわくして好奇心いっぱいで楽しいもの。

でもそこから長く続けてなお面白い、楽しいと思うには、理想を体現出来る技術、その土台があるからこそできる「面白い」瞬間が必要で、それがあるから挫折しても高みを目指せるんじゃないか。

しかもその「うまい」も「へたくそ」も、他人からの評価でなく、自分が決めること。自分にとって面白いと思うことを成せたかどうか。

 

はて。わたしはお芝居していて、今面白いのかな?楽しいのかな?

わたしは芝居が好きだけど、なんだか息苦しくてたまらなくて、自分のやりたいことがわからなくなっていないか?

やりたいことをやる力がなくて閉塞感につぶされそうじゃないか?

 

今までどうしても「わたしがなにをしたいのか」よりも、作品が、演出家が、お客さんが、という他者の視点ばかりを優先していた気がします。もちろんそれはとても大切なことで、それらをまったくやらないというつもりはありません。

それでもまず「わたしはどうしたいの」「わたしの面白いと思うことは何なの」ということによくよく向き合いたい。

自分自身のことをもっとよくわかりたいし、そうしてやっと周りを見ることができるんじゃないかと、そんなことを思いました。

 

ならばまずは、俳優のことは、先輩俳優に教えを請いたい!

そうして今回の企画を立ち上げました。

 

今回俳優として一緒に企画に取り組んでくださるのは、藤原大介さん。

そして、演出は山口浩章さんにお願いしています。

お二方とも京都で知らない人はいないだろう大先輩です。

 

そんなお二人がいる稽古場で、わたしは芝居を「楽しい」と思うため、やりたいことをやりきる力を身に着けたいと思っています。

それが自分だけではなく、観ている人にとっても価値のある演劇をつくることができる俳優になる、その土台になるように。

 

こんな機会またとないぞ!と、稽古では毎度手探りで唸りっぱなしですが、それでも今芝居することを面白がって取り組んでいます。

 

10月4日から6日まで、場所は京都烏丸のKAIKAにて!

坂元裕二さんの本『カラシニコフ不倫海峡』をリーディングします!

 

西村花織ってどんな俳優なんだ、どうなっていくんだ、と観に来ていただけると嬉しいです。

あとハイキュー!!ぜひ読んでください。「へたくそ」のやりとりは10巻に出てきます。

先程ちょっとだけご紹介したやりとり以後も、そこに至るまでの展開も超熱くて面白いです。

 

どうぞよろしくお願いします!